海外農業技術セミナーを開催いたしました

Date:2022.02.22

セミナー アーカイブページへ

2022年2月22日、当協会と酪農学園大学の共催による海外農業技術セミナーを開催いたしました。「持続可能な農業とは~気候危機と生物多様性の喪失~Sustainable Agriculture-Climate Crisis and Biodiversity」というテーマで、会場とオンラインの同時開催という当協会では初めての試みで行われ、会場とオンラインで200名を超える申込をいただきました。

海外農業技術セミナーを開催いたしました

会長挨拶

開会にあたり当協会の谷山弘行会長から「コロナ禍にあって当協会の果たすべき役割は何かを問い続けた中で、こうしてセミナーを開催できたことを光栄に思う」と挨拶がありました。

海外農業技術セミナーを開催いたしました

エリザベス・マルマ・ムレマ氏のメッセージ

海外農業技術セミナーを開催いたしました

イレーナ・ホフマン氏の基調講演

引き続き、国際連合生物多様性条約事務局長のエリザベス・マルマ・ムレマ氏(Ms. Elizabeth Maruma Mrema)からビデオメッセージをいただきました。「産業としての農業活動は、しばしば生態系を劣化させ生物多様性の喪失を加速させる。食料システムの変革の達成には、先住民、小規模農家、小規模食料生産者の役割と権利を認識し、支援しなければならない」と力強いメッセージがありました。
基調講演は、国際連合食糧農業機関 気候変動・生物多様性・環境局生物多様性担当部長のイレーナ・ホフマン氏(Dr. Irene Hofmann)から「持続可能な農業~生物多様性と気候危機とのつながり~Sustainable Agriculture-The Linkage with Biodiversity and the Climate change」と題して、ビデオ講義をいただきました。現在の地球規模の課題と持続可能な農業へのアプローチとして日本における実例などを挙げながら、国際的な協力と、共同して政策を作ることの必要性などをお話しいただきました。

テーマ別講演では、酪農学園大学の協定機関でもあるカナダ・アルバータ大学の2名の先生方をお招きし、それぞれのご専門分野からビデオ講義をいただきました。
理学部地球大気科学科のモニレ・ファラマーズィ先生(Dr. Monireh Faramarzi)は「気候変動下で小麦・大麦の収穫量はどう変化するか?~カナダにおける収量変化を予測する~(How will wheat and barley yields change under climate change?-Predicting yield changes in acanada-」と題し、カナダ大平原地帯の農地における様々な気候変動と窒素施用シナリオの下での小麦と大麦の収穫量の経時変化をシミュレートした研究について述べられました。
農業・生命・環境科学部のデブラ・デイビッドソン先生(Dr. Debra Davidson)からは「気候危機への対応における社会的な障壁と実現可能性~アルバータ州の農家での実例をもとに~Social Barriers and Feasibility in Response to Climate Crisis-Based on Examples of Farmers in Alberta」というテーマで、アルバータ州での調査をもとに農家が気候変動に適応する上での経済的、政治的、文化的構造などの組織的側面について述べられました。

 

海外農業技術セミナーを開催いたしました

質疑応答

海外農業技術セミナーを開催いたしました

カナダからご回答いただきました

アルバータ大学の先生方には、カナダからLIVEでご参加いただき、活発な質疑応答がなされ時間制限になるなど貴重な時間を持つことができました。

海外農業技術セミナーを開催いたしました

閉会挨拶

閉会にあたり堂地 修酪農学園大学学長から「持続可能な農業という問いは、創立者である黒澤酉蔵が訴え続けた本学にとって古くて新しい課題。これからも本学そして当協会は教育研究界や様々な産業界と共に、世界共通の課題に取り組みを進めていく」と述べられ、セミナーは終了しました。

たくさんのご参加、ありがとうございました。4名の方々からの貴重なメッセージや講義動画、また資料等は今後当サイトにて公開予定ですので、当日ご参加いただけなかった方もぜひご覧ください。